この記事を書いた人

神経学会専門医、日本内科学会 内科認定医の資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
脳神経内科の分野全般を得意としており、リハビリテーションも交えながら一人ひとりにあった診療を提供。
2026年5月に兵庫県西宮市でクリニックを開業予定。

頭痛はとても多くの方が経験される症状です。「頭痛くらいで病院に行くなんて」と思われている方や、なんとなく痛みやしんどさを感じているけれども、それを頭痛と認識されていない方が多くおられます。

当院では片頭痛を中心に専門的な頭痛診療を行い、患者さんそれぞれに合わせた治療を提案していきます。

代表的な頭痛はこの3つです。詳細についてはそれぞれの病名をクリックしてください。

代表的な頭痛

片頭痛

  • 痛みの症状:脈に合わせてズキンズキンとする痛み
  • 痛みの部位:頭の片側、両側どちらの場合もある
  • 痛みに伴う症状:吐き気・嘔吐、光や音の刺激に過敏

緊張型頭痛

  • 痛みの症状:締め付けられるような重い痛み
  • 痛みの部位:頭の両側
  • 痛みに伴う症状:肩こり・首筋のハリ、めまい、耳鳴り

群発頭痛

  • 痛みの症状:目の奥をえぐられるような強い痛み
  • 痛みの部位:頭の片側
  • 痛みに伴う症状:結膜充血・流涙・鼻汁・発汗

>他に挙げられる頭痛の種類はこちら

片頭痛

片頭痛は「脈打つような」「光過敏や音過敏、吐き気などの随伴症状を伴う」「動作や入浴で悪化するので、暗い部屋でじっとしていたくなる」といった特徴がある頭痛です。閃輝暗点(ギザギザした光が視界に現れる)などの前兆をともなうこともありますが、前兆を伴わない片頭痛の方が多いと言われています(中には前兆のみで頭痛を伴わないものもあります)。「片」頭痛と書きますが、40%の患者さんでは両側に頭痛を生じると報告されています。頭痛出現前に肩こりや首の詰まり感を感じる事があるため、緊張型頭痛(肩こり頭痛)と診断されてしまっているケースがあり、正確な診断が必要です。

若い女性に多いですが、全人口の内およそ10人に1人は片頭痛を経験すると言われます。患者数はとても多いのですが、実際に病院にこられる方は少ない疾患です。未成年の患者さんが多いことも知られており、起立性調節障害(リンク)などを合併し、不登校の原因になることもあります。

片頭痛が生活に与える支障(疾病負担)は全疾患中第2位(!)と言われています。痛みだけでなく、予兆・前兆や随伴症状も含めて生活の質や生産性を下げることになってしまいますが、治療によりそれらを軽減することが出来ます。

当院では内服治療に加え、抗CGRP抗体製剤という注射を含めた治療を提案させていただきます。 

⭐︎抗CGRP抗体について

現在、3つの製剤が使用可能です。

それぞれ費用は3割負担で13000から14000円程かかりますが、加入している健康保険組合の高額療養費制度や付加給付制度により自己負担額が軽減される場合があります。詳細は、加入している組合にお問い合わせください。

全ての薬剤で頭痛頻度や強さの軽減が期待でき、中には頭痛がほとんど無くなるという程の効果が出る場合もあります。

各薬剤の特徴は以下のようになります。

  • エムガルティ:初回2本投与、以降4週間に1本投与。
  • アジョビ:4週間に1本投与、または12週間に1度 3本投与。
  • アイモビーグ:1ヶ月に1本投与。

緊張型頭痛

筋肉の緊張により起こる頭痛です。いわゆる「肩こり頭痛」というものです。

心身のストレスや肩こりなどが誘因となり、片頭痛と違い動作で悪化することはなく、吐き気などの随伴症状は伴いません。

ストレッチや肩こり体操など日常的な対策が有効ですが、生活への影響が大きい患者さんには筋肉の緊張をほぐす薬や慢性痛を抑える薬を使用する場合があります。

片頭痛でも肩こりを感じることがあるため緊張型頭痛と診断されてしまっているケースがあり、正確な診断が必要です。

群発頭痛

まれな頭痛ですが、陣痛と同レベルと言われる程の極めて重度の頭痛が生じます。

片側の目の奥や側頭部の痛みが、1年のうち1か月の期間(群発期)にまとまって生じ、1日数回1時間程持続するのが典型的で、頭痛と同側に目の充血や涙、鼻水といった自律神経症状が出ることも特徴的です。

あまりの痛みのため、群発期は普段の活動が困難となります。頭痛時の鎮痛薬だけではコントロールは不可能に近く、群発期には予防薬を使用することが必須です。

群発頭痛は「三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)」と呼ばれる疾患群で、TACsには鑑別が必要な様々な疾患が含まれます。

他に挙げられる頭痛の種類

三叉神経痛

三叉神経と呼ばれる頭皮から顔の感覚を司る神経から生じる痛みです。頭痛に限らず、顔や歯の痛みを生じるが多いです。

歯磨きや咀嚼、ブラシで髪をとく等の刺激で誘発され、電撃痛と呼ばれるような鋭い痛みが特徴です。神経の興奮を鎮める薬で軽減されるケースが多いですが、神経圧迫が原因となることがあり、その場合は脳神経外科で手術を行うことで完治する可能性があります。

帯状疱疹

帯状疱疹ウイルスによる疾患です。普段は顔の神経に潜んでいるウイルスが、体調変化やストレスにより活性化することで顔や耳に湿疹が生じ、その後痛みを生じます。早期に抗ウイルス薬を投与することが重要ですが、治療後も強い痛みが後遺症として残る場合があり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれます。

加齢とともに帯状疱疹の発症率は上がっていき、中には帯状疱疹後神経障害により麻痺や嚥下障害が残る方がおられ、脳神経内科医としては非常に怖いウイルスであると感じています。

ワクチンを投与することで重症化リスクを下げ、後遺症の軽減を図ることが出来るので、個人的には多くの方にお勧めしています。当院でも帯状疱疹ワクチンを接種できますので、ご希望の方はご相談ください。

各種ワクチンについてはコチラ

その他の頭痛

他にも様々な頭痛があり、中には少し変わった症状を見せるものがあります。

咳や特定の運動で頭痛が誘発されるものや頭痛に手足の麻痺を伴うもの、認知機能低下を伴うものが挙げられます。